現役外資系コンサル虎の巻【コンサルへの就職・中途未経験の転職希望者必見の情報満載】

コンサルティング業界の実情から採用面接時のポイントまで現役の外資系コンサルタントの視点から切り込みます。たまに時事問題についても語る予定です。

省力化が与える労働力問題への影響について

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最近のニュースで、世界の求人倍率は高くなっている傾向にあるにも関わらず、

所得額自体は減少傾向にあると言うニュースを目にしました。

 

安易に考えると、

 求人が多い

⇒労働者の売り手市場

⇒労働力の取り合いになる

⇒企業間競争が激化

⇒給与水準高騰

というのが普通の流れかと思います。

 

しかし、今回の話題は全くその逆で、

求人が増えているのに給与水準も低下している現象が起きているとのことです。

 

コンサルタントの視点から、そういった現象が起きている理由を少し考えてみました。

私なりに出した結論はこうです。

 

 

 

 

仮説1:システム化・ロボティクス化によって、正社員の業務の省力化が進められる様になり、給料の高い職種の人口そのものが減ってきている。

昨今の技術革新のスピードは目覚ましいものがあり、ITシステムに加えて、最近はロボティクスやAI技術のビジネスへの展開が進められています。

そうした技術の適用によって、派遣社員やパートタイムの従業員だけでなく、

従来一般職と言われていたような事務方の業務を全自動化し、人件費の削減を図っている企業は多いです。

そうした時流を鑑みると、付加価値の低い事務作業は既に人を不要としている企業も多く、従来正社員として勤務できていた人も、今後はパートタイマー・アルバイトとしてしか働けない可能が高いです。

そうした流れが既にIT先進国では、進んでいるため、求人倍率は高いのに平均給与水準は下がり続けているという矛盾が発生しているのでしょう。

 

仮説2:専門性の高い学歴・職歴の優れた人材とその他の人財による労働力の二極化が進んでおり、前者は好条件で企業間が確保競争を行っている一方、後者は低賃金化が進んでいる。

 

仮説1にも関連するのですが、近年の技術確認により、新たな職種が誕生しています。

それは、AIエンジニア、データサイエンティスト等です。

そうした職種は技術の発展・普及に伴い、各企業が社内に確保する時代が来るのはもう遠い未来の話ではないのです。

ただ、そうした職業が勃興し始めた段階のため、世界を見渡しても人材の数は限られています。

そのため、各企業が破格の給与・充実した雇用体系で確保しようと躍起になっています。

一方で充分な教育を受けておらず、専門的な知識の無い人財は、所謂、誰でもできるような職業にしかつけません。

そのため、そうした職種では労働者間の競争も激化します。

そして結果として、企業側の買い手市場となり、給与水準を低く押さえても、

労働力を確保できるようになります。


そのため、

  • 高付加価値業務は人材不足なため、給与水準↑
  • 低付加価値業務は供給過多なため、給与水準↓

という現象が発生します。

 

結局のところ、高付加業務ができる人材と低付加価値業務をこなす人材数は

高付加業務人材<低付加価値業務人材

であり圧倒的に後者が多いため、

 結果として、貧富の差の拡大を招いていると考えられます。

 

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