本日は久々にコンサルタントらしい内容の記事を書きます。
皆様は製造業にはQCDという言葉があることをご存知でしょうか。
QCDとは
- Quality(品質)
- Cost(コスト)
- Delivery(納期)
の頭文字を取ったもので、
QCDは特に製造業で生産管理を行う際に考えるべき要素と言えるものです。
3つも要素があると、当然それぞれに優先順位をつける必要はあるのですが、
私が新卒のメーカー勤務時代に体験したエピソードを本日はお話させていただきます。
メーカー勤務時代の話
私が新卒で製造業の企業に入社した際には、
新人研修という形で2カ月ほど製造現場の勉強をしたり、
各部門の方が講師となって、どんな業務をしているのか、
過去に企業としてどういったことに取り組んできたか、を学ぶ機会がありました。
私の記憶では、他社で金型技術者として豊富な経験を持つ生産技術部の方が講師を担当された研修で、
今まで外部から調達していた製品を、社内で製造する内製化に切り替えたことにより、
生産技術部門の役割が大きくなった等の説明を受けました。
その後、研修で学んだことについて、質問の場が設けられた時に、
他の同期が誰も質問をしなかったので、私がしぶしぶ挙手し、
「内製化することによりコストはどれくらい下がったんですか?」
と質問をしました。
すると研修講師の方は、今にも机を叩きそうな勢いで
「コスト、コストって価格が下がれば良いってもんじゃない!品質を確保することの方が重要なんだ!」
と少しキレ気味で回答されました。
私は、そんなに怒られるような質問をしたのかな?と腑に落ちないのと同時に、
質問にも明確に答えてくれへんやんと思いながらも、
怖かったので
「わかりました。」
と言って質問を終えました。
その後の話
その後しばらく働いてから分かったことなのですが、
外部調達品の一部を内製化した背景にはサプライヤー側で
大規模な品質トラブルが相次ぎ、顧客企業に多大な迷惑をかけたことから、
内製化に踏み切ったとのことで、
「Cost(コスト)ではなくQuality(品質)のほうが大事だ」
とキレられたのかなと思いました。
ちなみに研修時の私の発言を人事部が見ていたのかは不明ですが、
私は研修後に同期の中で唯一、調達部に配属されることになり、
Delivery(納期)を厳守しつつ、Cost(コスト)の最適化を図る業務に従事することになるのでした。
まとめ
品質と一言で言っても、技術者の要求する水準は過剰品質な可能性もありますし、Delivery(納期)を厳守しつつ、Cost(コスト)とQuality(品質)のバランスを取る、という考え方が調達部員時代には養われたと思います。