プロ野球とJリーグのリーグとしての役割に引き続き、
本日は両リーグのチームの収益構造について語りたいと思います。
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今回は、
どういったビジネスモデルで売上を得ているのかという収入構造と
⇒広告料収入、入場料収入、リーグからの配分金等
どういった費用に支出を行っているのかという支出構造
⇒人件費(主に選手の年俸等)、試合経費等
について調査をしました。
営業収益・費用
まず、結論として、プロ野球チームは営業収益・費用の明細を
公開しているチームはありませんでした。
そんなことだから裏金問題とかがでるのか、
裏金とかやってるから明細を公開できないのか、
鶏が先か、卵が先か
みたいな話ですね。
今回はデータが入手し易いかつ、両リーグを代表する競合チームということで、
Jリーグの鹿島アントラーズとプロ野球の福岡ソフトバンクホークスを比較しました。
(本当はプロ野球は巨人でやりたかったんですが、データが全然出てこなかったので断念。)
まずは営業収益の比較です。
最初に、営業収益=売上と思ってもらって問題ありません。
営業収益の規模でいうと、ホークスが圧倒的に多いです、
その差、およそ4倍です。
ちなみにいかにフェルミ推定で活用できそうな入場料収入の内訳を記載したのですが、
約4倍の差は試合数の差に基づいて発生しています。
そのため、他の項目についても基本的には試合数の差と考えて問題ないと思います。
試合数
【アントラーズ】
Jリーグの場合、試合数は全34節あり、カップ戦を合わせると
試合数は50試合くらいのイメージ。
でホームの試合のみで入場料収入が得られるとすると、
ざっくり25試合分が収入対象
【ホークス】
プロ野球は全140試合あり、ホームの試合数は70試合程度とみて、
ざっくり70試合分が収入対象
⇒約3倍の差
収容人数
【カシマサッカースタジアム】
収容人数:40,728人
【福岡ドーム】
収容人数:40,178人
⇒ほぼ一緒
チケット単価
【Jリーグ】
・2,274円
【プロ野球】
・2,500円
⇒ほぼ一緒
次に営業費用の比較です。
こちらでは、営業費用=支出と思ってもらって問題ありません。
営業費用の規模でいうと、福岡ソフトバンクがおよそ4倍多いです。
またアントラーズの方が人件費の占める割合が圧倒的に多いですね
約50%が人件費 です。
(一方のホークスは20%程度)
プロ野球でも幸い人件費データを入手できたのですが、
助っ人外国人の年俸が含まれていないという説もあるため、
ホークスの人件費は正確にはもう少し多いかもしれません 。
またアントラーズは、監督やスタッフの人件費も含んでいる一方で、
ホークスは純粋に選手のみの人件費なので、
純粋な選手だけでみると実際には2倍くらいの差があるかもしれませんね。
ちなみに人件費関連の詳細データとして
選手数
【アントラーズ】
32人(2020年)
【ホークス】
92人(2018年支配下選手数)
⇒約3倍
最高年俸
【アントラーズ】
9,000万円:内田選手(2020年)
【ホークス】
5億7,000万円:柳田選手 (2019年)
⇒約6倍
ということで、選手数は3倍、最高年俸は6倍ほどの差があるにも関わらず、
総年俸差は2倍くらいしかないのはやや意外です。
プロ野球界の方が、選手間の差が激しい、格差社会という結論です。
営業利益
売上から費用を引いたどれだけ儲かってるのか、
を表す、営業利益については以下の通りとなりました。
【アントラーズ】
584百万円
【ホークス】
1,779百万円
⇒約3倍
最終的には、営業収益の差、試合数の差と近しい、3倍というデータになりました。
参考サイト:
2018年度 決算概要について | 鹿島アントラーズ オフィシャルサイト
福岡ソフトバンクホークス株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、世間の評判を徹底調査 - 起業ログ
結論
結論としてはプロ野球は試合数が多く、市場規模も大きいので、
ビジネスモデルの差以前に市場規模が違うことが
収益構造に差に繋がっているんだと思います。
ただ、野球の方が選手間格差が大きそうなので、
才能的に特出したスターになるのは難しそうだけど、
運動神経が良い子どもにはサッカーをお勧めします。
実際、野球が北中米、東アジアくらいしかマーケットがない一方、
サッカーはほぼ全世界に市場があり、海外に行くと市場が多いので、
Jリーグで活躍の場がなくても欧州、南米の他、
東南アジアや豪州、北米等でもプレイするチャンスはあります。
そのため、選手としての潰しが効きやすいのでサッカーの方がおすすめです。
大谷翔平選手くらい特出した体格、センスに恵まれていたら、
国内でも高給取りになれる、
かつ、
アメリカMLBで一旗上げられる野球という選択をするのが良いかと思います。