ヤングケアラーとは何か
皆さん、注目されている社会問題の一つ、ヤングケアラーとは何かご存知でしょうか。
ヤングケアラーを分割して訳すと
- ヤング=若者
- ケアラー=世話をする人
ということで、家族等の親族の世話をする18歳未満の子どもを指しています。
子供が家族の世話をするのに、何の問題があるの?
と思われる方もいるかもしれませんが、
厚労省の説明によると、
一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども
とされており、
子どもたち自身は、慢性的な病気や障がいや精神的な問題などを抱える家族の世話や介護を行うことが当たり前と思っているため、今まで顕在化しないことが多かった事象であり、世話や介護に多くの時間を割く必要があることから学業に遅れが出たり、進学や就職を諦めたりするケースも多い、ということで問題になっています。
日本にはどれくらいのヤングケアラーがいるのか
2020年の毎日新聞の調査によると、
家族などの介護を担っている15~19歳の若者は2017年時点で推計37,000人、そのうち約8割が通学しながら、週4日以上、勉強と介護を両立させている
と言われており、こちらの調査では15歳未満の子供の実態は把握していないため、実際のヤングケアラーの数はもっと多いと言われております。
大人でさえも、世話や介護をするのは大変だと思いますし、
ましてや子どもが学業と介護を両立させることによる負荷の高さは容易に想像がつきます。
こうした家庭環境が原因で進学の道を絶たれることは、将来的なワーキングプアの予備軍等、その後の経済状況にも影響を及ぼすと思いますし、家庭環境が原因で子供が自分のしたいことができないということも避けるべきことだと思います。
ヤングケアラーを減らすには
このヤングケアラーの問題の根底には、
そうした介護・世話を子どもが担うのが当然という刷り込みによって、
行政による支援を求める人が少ないことになると思います。
行政へ支援を求める人を増やすためには、
そもそもヤングケアラーとは何か、を正しく理解するとともに、
行政に相談することによって障害福祉サービスや介護サービス等の支援を受けることができるんだ、
という認知を広めていくことが大切だと思います。
老老介護などの問題も社会問題として注目されることが多いですが、
まだ自分の意志で判断をすることが難しい子どもたちの将来のためにも
ヤングケアラーを美談にしてはいけないと思いますし、
この問題について、行政側はより一層、力を入れて政策を進めて欲しいと思います。