今回の都知事選は22人の候補者が出馬し、
過去最多の候補者数と話題になりました。
ただ、選挙への立候補にはお金も必要になることを皆さん、ご存じでしょうか。
供託金制度
例えば今回の都知事選へ立候補するには供託金という名目で300万円を準備の上、
法令の規定により法務局などの供託所へそのお金を預ける必要があります。
そのお金は、候補者の得票数が有効投票総数の10分の1を上回ると返還されるのですが、逆に得票数が10分の1を下回った場合は没収されます。
なぜこのような制度があるかと言いますと、
当選する気が無いのにとりあえず立候補する
売名や宣伝目的の泡沫候補が乱立することを防ぐためと言われています。
一方でこの制度があることで、
ある程度お金持ちじゃないと立候補できないため、
不公平じゃないかという批判もあるそうです。
で、気になる今回の供託金の返還ラインは、
有効投票数が6,132,677票とのことなので、
その10分の1の613,268票となります。
出所:都知事選、小池氏が圧勝 歴代2位の366万票―新型コロナ「第2波に備え」:時事ドットコム
今回の選挙候補者のうち、
供託金を回収できた候補者は、当選した小池現知事を含めた
小池 百合子、宇都宮 健児、山本 太郎の3名となりました。
知名度、職業的に見ても300万円なんて痛くもかゆくもなさそうな人たちですね。
逆に言うと19名は300万円の供託金は没収ということになりましたので、
19×300万円=5,700万円は没収です。
今回、6,000万円弱の供託金が没収されることになったと言うことで、
富裕層のお金が公金に流れることになったので、
良かったんじゃないかと考える人もいるかと思いますが、
供託金の使途は今一つ明確にされてはおらず、
ポスターの立て看板設置や選挙公報の配布・投票用紙の発送等に充てられていると言われていますが、
法律上開示の義務はないため詳細についての公表はされていません。
出馬には1億円の価値がある?
供託金の設定は、
売名や宣伝目的の泡沫候補が乱立することを防ぐためと説明しましたが、
都知事選の場合、候補者には政見放送を行う権利が与えられます。
具体的には、テレビ放送で自由に主張を行う時間が6分間与えられ、
加えて都知事選の場合はNHKで2回、民放で4回の放映枠を確保することが可能です。
それらのテレビ放映の枠を、普通に個人で抑えようとした場合、
1億円程度ではないかと言われており、
売名行為をしたい人にとっては300万円など大した額ではないのかもしれません。
今回の候補者の中に、当選する気なく売名や話題作りのために出馬した人が居るかは不明ですが、
出馬しないと当選することはできないので、
出馬すると言う行動自体は尊敬に値すると思います。
それと同じで、投票しないと自分の望む未来には繋がらないため、
一人でも多くの人が投票に行き、政治に参加する社会になることを祈っています。