今日は、久しぶりにコンサルタントという職業について、
テクニック論も交えてお話しようと思います。
最近、事業会社の人と一緒に働く機会も多いのですが、
やっぱりコンサルタントとは違うな、
と感じることが多々あるので本日は
その違いについて書きたいと思います。
決して
全ての面でコンサルタントの方が素晴らしい、
と言っているのではありませんので、
こう言った考え方もあるのか!
程度で気軽に読み流していただければ幸いです。
資料へのこだわりの差
本日のテーマは、資料へのこだわりの差です。
コンサルタントと言う仕事は多くの場合、
納品する成果物に対して、
クライアント企業から多額のお金をいただいています。
そのため、
資料1枚1枚に対するこだわりの強さが
事業会社の人とは異なります。
それゆえ、上位者からレビューされる時には、
お前はこの資料1枚に〇万円の価値があると思ってんのか!?
とか言わたりします。
たまに事業会社の人が作った資料を見て、
この資料パワーポイントで作る必要ある?
ワードの文書をパワーポイントに貼り付けただけ・・・
と思ってしまうこともあります。
あとは、
資料がかなーり分かりにくい表現になっていると、
聞いている人は誰でも眠たくなると思います、
でも寝てしまうと、
事業会社の場合、
頑張って資料作ったのに寝るなんて何様だ!
寝るやつが悪い!
となりますが、
コンサルティングファームの場合、
何、聞き手が寝るようなしょうもない資料作ってるんだ!
資料作ったやつが悪い!
となります。
その点も、事業会社とコンサルティングファームの違いですね。
私が資料を見ていていやだなぁ
と感じる例を以下に挙げます。
・ページ間で表の位置がずれている
下の2つのページの表を見てください。
1ページ目の表と2ページ目の表で、表の配置が少しずれています。
プレゼンの際にスライドを進めていったときに、
表が動いたような印象を与えるため、
気が散って内容が頭に入ってこない、との理由で
表の位置がずれている成果物はNG=奇麗でない
とされています。(初歩的なルールです)
・表タイトルの罫線が見えない
先ほどお見せした表なのですが、
タイトル行(紺色の部分)にすごく濃い色を使っているため、
罫線がほとんど見えません。
背景色に濃い色を用いている場合は、
白色を使って、はっきり線や文字が分かるようにするのがルールです。
・変化が分かりにくい
As Is(現在)とTo Be(将来)での変化を表したい時に以下のような資料を
作成する人がいます。
正直、めちゃくちゃ分かりにくいです。
理由は、変化が強調されておらず、どこが変わったか、
ぱっと見ではわからないからです。
一目で変化が分かる形に工夫すると以下のようになります。
A社とB社が違う存在であることを示すとともに、
上の図では矢印を見ないと分からなかった変化が、
A社とB社の位置が入れ替わったことで、
理解しやすい表現になっています。
・効果的な色遣いの工夫
また色遣いについても、
上記のページの場合、
A社、B社の図形の塗りつぶしの色を淡い色、
枠線の色を塗りつぶし色と同系色の濃い色
で表すことで、デザイン性が改善します。
・ページ間のつながりが分かりにくい
資料のページ間は基本的に全てつながっている必要があります。
ページを移動した時に、あれ?なんで急にこの話になったんだっけ?
と思わせる資料構成はNGです。
・文字量が多い
コンサルタントがプレゼンをする相手はCEO、COO等のいわゆるCXOの役員層であり、
彼らは時間がない中、プレゼンを聞く時間を確保してくれています。
そのため、
一言で言うと何か、
というメッセージが明確になるように文章を作成する必要があります。
長文の上に
①「一言でサマリを書くような表現」
②「ハイライトしたい部分のみ目立たせるような表現」
が非常に有効です。
上記に挙げた表現の具体例)
①【女性の社会進出による晩婚化】
・自身のキャリアを重視する女性が増え、婚姻年齢が高齢化している
②女性の社会進出により、自身のキャリアを重視する女性が増え、婚姻年齢が高齢化している
要は最低限、奇麗な資料を作りなさいってこと
過去に私が仕事を教わった方がこんなことをおっしゃってました。
「情報量がどうしてもない時は、デザインでごまかせ!」
と。
調べても調べても、考えても考えても、
どうしても満足の行く情報が揃わないケースも往々にしてあります。
そういったピンチには、その場しのぎ的に一旦は奇麗な資料を作って、
お客様にお出しする、
とう手法も有効です。
もちろん、その場を凌いだ後は、また必死で情報を探したり、
アイデアを考えたりすることは補足しておきます。